ボランティア体験記

ボランティア経験者にインタビュー

東京マラソンのボランティアを経験した平川 孝広さん

平川 孝広Takahiro Hirakawa

生まれつきの脳性麻痺により車椅子生活を送る中でボッチャと出会い、2011年の千葉ボッチャ選手権大会では準優勝を果たす。現在も様々な大会に出場するための練習を継続する一方で、東京マラソンのボランティアに2年連続で参加するなど積極的にボランティアにも参加している。

第2回
東京マラソンでのボランティア活動

––– 東京マラソンのボランティアはどのような経緯で参加したんですか?

東京マラソンのボランティアのきっかけを語る平川孝広さん

たまたまFacebookで東京マラソンのボランティア募集の記事を見たんです。特に障がい者ボランティアの募集ではなかったんですが、事務局に直接電話して「障がい者でもボランティアできますか?」と聞いてみたことがキッカケでした。
障がい者ランナーの募集はよく見かけるものの、障がい者ボランティアの募集は見たことがなかったので、思い切って電話してみました。

––– 自ら積極的に動いた結果ですね。

そうですね。
あの時電話をかけていなかったら、車椅子の人がボランティアをしている光景はなかったのかなと。
初めてボランティア参加した東京マラソンが10回記念大会で、開催後の打ち上げレセプションパーティーに参加した際、ボランティア事務局のセンター長さんと話をしたら、センター長さんが感極まって「次回も参加してほしい!」と言ってくれて、今年も参加することができました。
2年続けて東京マラソンにボランティアとして参加したことで、多くの方に顔を覚えてもらえ、私自身も一度経験していることでボランティアの勝手も分かり、こちらから提案もできるようになりました。主催者側も車椅子でのボランティア活動に配慮してくれましたし、とても過ごしやすかったのを覚えています。
やっぱり一度経験すると2年目はスムーズですね。

––– 来年以降も続けたいですか?

ボッチャの大会と被っていなければ(笑)

––– 東京マラソンのボランティアに参加して印象に残っている出来事はありますか?

東京マラソンのボランティアで印象に残っていることを語る平川孝広さん

今年の東京マラソンでは銀座や日比谷の辺りで活動していて、ランナー全員が走り抜けた後に撤収作業をしていたら、別の場所から応援要請があったんです。私は電動車椅子で銀座の大通りを他のボランティアスタッフと一緒に走って移動したんですけど、沿道の観客から「がんばってくださーい!!」と声援を受けたことが不思議な体験でした。
ランナーじゃないのに応援されてる!!みたいな(笑)

––– 今年の東京マラソンでは、どのようなボランティア活動を?

最初に配置された銀座周辺での活動では、ボランティア事務局の配慮で動かなくても出来ることとして、トイレへの誘導看板を持っていました。
その後で駆け付けた応援先では、ゴール近くだったのでランナーに声援を送る活動を行いました。
応援先に向かうまでに観客から受けた声援を、今度は私がランナーに送りました。
東京マラソンには、ゆるい雰囲気のランナーもいて、海外から参加したランナーがゴール直前にわざわざこちらにやってきて、記念撮影をお願いされたこともありました。
言葉は通じなくてもカメラを向けられているので、それを察して一緒に記念撮影をしたりもしましたね。

––– 参加ランナーとの交流もあるんですね。

そうですね。そういうのも嬉しい瞬間でしたね。
やっぱり、ランナーから見る景色に車椅子の人が居るっていうのは物珍しいのかなと。
ほかにも、声援を送ると「ありがとう!」と返してくれる方も多くいて嬉しかったです。

––– 東京マラソンでのボランティアの様子が新聞に掲載されてましたけど、反響はありましたか?

これは、すごかったです!!
記事を見た周りの友人などからLINEやメールでたくさんのメッセージが届きましたし、街を車椅子で移動してるときに全然知らない人から声をかけられたこともありました。

新聞に掲載された反響を語る平川孝広さん

––– ボランティアを続ける上での課題は?

電車などを利用してボランティアに行く場合、バリアフリーじゃない駅が最寄りだったりすることがあるので、そういうところのバリアフリー化を進めてもらいたいですね。
それと、大会主催者側ももっと積極的に障がい者ボランティアの募集をしてくれるとありがたいです。

––– 東京2020大会への思いをお願いします。

まずはボッチャの日本代表選手として出場することが第一の目標です!
もし、それが難しかったとしたら、せっかく東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるわけですから、ボランティアとして参加できればと思います。

––– これからボランティアをしてみたい障がい者の方へ伝えたいことは?

障がいの特性はあると思いますが、体が動かなくても声が出る、声が出なくてもパネルを持つなど、様々な方法で声援を送ることはできますし、やり方はそれぞれ違うと思いますけど、自分の出来る範囲でなにかしら出来ることはあるはず。
ボランティアに関する情報はネット上などにもいっぱいありますし、1人で参加するのが難しければ知り合いと参加してみるとか、少しのキッカケと勇気でいいので、興味があるなら小さなことからでもまずは参加してみることが大切だと思います。

今後の抱負について語る平川孝広さん