ボランティア体験記

ボランティア経験者にインタビュー

東京マラソンのボランティアを経験した平川 孝広さん

平川 孝広Takahiro Hirakawa

生まれつきの脳性麻痺により車椅子生活を送る中でボッチャと出会い、2011年の千葉ボッチャ選手権大会では準優勝を果たす。現在も様々な大会に出場するための練習を継続する一方で、東京マラソンのボランティアに2年連続で参加するなど、積極的にボランティア活動にも参加している。

第1回
ボッチャの魅力とボランティアとの出会い

––– ボッチャ選手として活躍されている平川さんですが、ボッチャはいつからはじめたんですか?

松戸の特別支援学校に通っていた頃に授業の一環で先輩たちがボッチャをしているのを見て、自分もいつかやってみたいなと思ったのが最初の出会いでした。
その後、中学1年生の時に学校対抗県大会があることを知り、その大会に出場したいと思い練習に参加したのが始まりです。
現在は柏市にあるボッチャサークルに所属していて、直近では9月上旬に浦安で開催される県大会に出場予定なので、そこに向けて練習を続けています。
ボッチャとの出会いを語る平川孝広さん

––– ボッチャのどんなところが魅力だと思いますか?

これまで注目されていない競技でしたが、去年のリオパラリンピックで日本代表がメダルを獲得したことで広く知られるようになったかと思います。 ただ、どうしても障がい者スポーツというイメージが強いんですけど、実際はボールと場所さえあれば障がいの有無にかかわらず誰でもプレーできるところが魅力ですね。
試合展開も一投でゲーム展開が劇的に変わることもあり、相手との駆け引きもゲームを進める上での重要なポイントで、ボールを投げる際のコントロールが必要なことはもちろん、時には他のボールを弾き飛ばすためにパワーを要求される場面もあり、やればやるほど奥深さを感じます。

––– 印象に残っている試合などはありますか?

2011年に開催された第16回千葉ボッチャ選手権大会の決勝で、昨年のリオパラリンピックで銀メダルを獲得した廣瀬隆喜選手と初めて対戦した試合ですね。
決勝に進むまで廣瀬選手は相手に10点から20点差をつけての圧勝を続けていたのですが、私と対戦した決勝ではそこまで点差が開くことなく、廣瀬選手から点数を取ること自体が一苦労なんですけど、それでもどうにか1点取ることができました。 多くの観客が廣瀬選手からは点を取れないと思っていた中で得点を決めたことで、会場内に歓声が起き、その歓声にビックリしたことを今でも鮮明に覚えています。

ボッチャのメダルを手にする平川孝広さん
第20回千葉ボッチャ選手権で獲得したメダルと盾
ボッチャのボール
平川さんが試合で使用するボッチャのボール

––– ボッチャ選手としての目標は?

2020年に東京でパラリンピックが開催される時に日本代表選手として出場することが一番大きな目標です!

––– 平川さんはボランティア活動にも積極的に参加されているとのことですが、ボランティアを始めようとしたキッカケはなんだったのでしょうか。

一番最初のボランティア活動は、日曜日の昼間に駅周辺で行っていた清掃活動でした。 特に事前に連絡することなく、現地で直接「自分は障がいがあるけど参加できますか?」と聞いてみたら普通に参加させてくれて、それから4、5回は続けました。

––– アポなしで参加したんですね。

ヘルパーの人と一緒にアポなしで行き、「すみません、ゴミ拾いしたいんですが~」と言ってみたら「いいですよ〜」みたいな軽い感じで、特に構えることもなく受け入れてくれましたね。

––– 具体的にはどのような活動を?

駅前の通りを、ほかの参加者と同じように、落ちている空き缶や吸い殻をひたすら拾ってまわりました。 ただ、車椅子なのでトングを持っても拾えないので、見つけたゴミを近くの人に教えて拾ってもらい、そのゴミを私が持つゴミ袋に入れてもらうという感じで清掃活動を行いました。

––– ボランティアに参加してみた感想は?

主な参加者は大学生だったんですけど、車椅子の私が突然現れてどう思われるかの不安があったんですが、気を使うこともなく参加できたのが印象的でした。

––– アポ無しでボランティアに参加するなど、とても積極的な印象ですが、その原動力は?

「やってみたい!」という強い思いがあったわけではなく、「出来るのかな?」という思いで、試しに行動を起こしてみたというのが正直なところです。 また、こういった活動などを通して、より多くの人と交流を深めたいという思いもありました。

ボランティア活動のきっかけを語る平川孝広さん

■参考
ボッチャは、ヨーロッパで生まれた重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障がい者のために考案されたスポーツで、パラリンピックの正式競技です。 ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げる、転がすなどして、どれだけジャックボールに近付けられるかを競います。 障がいによりボールを手で投げることができない選手は足でボールを蹴ったり、勾配具(ランプ)と呼ばれる用具を使ってボールを転がします。